2.蹴る・止める・見る


 サッカーのプレーは意外と単純である。ボールがない時はボールを持てるように動く(走る)-ディフェンス、オフ・ザ・ボールの動き等-。ボールがくれば止める。自分の所にボールがあれば次は蹴る(打つ)動作だ。サッカー自体はこの動きをピッチ上の22人が絶えず行うことによって成り立っている。誰でもできる動作を当たり前にやってのけられる選手が一流選手なのだ。

 まずはボールを受けるための動き「オフ・ザ・ボールの動き」「ディフェンス」は後回しにして、「蹴る」と「止める」の動作に注目してみよう。

 2人組でパスの練習をする。どこのチームでも、どのレベルでも行われているトレーニングだ。インサイドキックでもインステップキックでもなんでもいい。この練習は「止める」「蹴る」の反復練習だ。単純なのだが見逃されている点がたくさんある。

 私がこのトレーニングを行うとしたら、動作の基本を身に付けることに重点を置く。つまり

1.相手がボールを蹴ったらそのボールが移動している間にボールから目線を外し周り(味方の位置・相手の位置)を見る
2.ボールを止める時はしっかりボールを見て息を吐きながらボールに触る。
3.すぐに目線をあげてもう一度周り(味方の位置・相手の位置)を見る(2人組の場合は相手の位置・動作・状況を確認する)。
4.このときボールは、顔を上げて周りをみても間接視野(顔を上げて前を見ても視野に入る⇔直接視野)で見られる場所にボールをコントロールする(ファーストタッチの重要性)。
5.キックモーションに入ったら迷わず、ボールをしっかり見て息を吐きながら思い切って蹴る。
(6.蹴ったら相手のゴールを確認し、最短距離で得点できる位置を探し、すぐさま動き出す。)

6は余談だが、1-5の動きが基本となる。小学生位だとやることが多くて整理できないため難しいと感じるだろうが、最初はゆっくりでいいので癖をつけて欲しい。ここで指導者の忍耐の見せ所だ。あきらめてしまえばそれまで。本当に大事と思うことをゆっくりでも時間をかけて身につけさせること。何とか1人でもできるとあとは連鎖反応でみなができるようになってきます。「ダメ」とかネガティブな言葉は使わないように、大事に誉めて、育てていくという気持ちで接すると選手も分かりやすいようです。 
 ただ、力の出し惜しみをしている選手には注意が必要。きっとサボっているのではなく、負荷が足りないのです。この選手にちゃんとやれといっても無駄。サッカーが嫌いになるだけ。こういう選手をどう導くか。腕の見せ所ですね。

 良いか悪いか判断するのは練習ではなく、ゲーム。ミニゲーム等でできていれば練習をサボっていてもOK。出来ていなければそこで初めてダメだしすればいい。練習のための練習にならないよう、試合に活かすトレーニングを構築しましょう。