2-2-2.姿勢について補足

 姿勢についてもう少し詳しく書いておこう。
腿の前の筋肉がどうして緩んでいないといけないのか?

 このことがプレーの柔らかさにつながることは言うまでもないのですがスポーツ選手にとってもっと重要なことがあるのです。

 キーワードは「共縮」。共に縮まる。つまり例えば腿の前側に筋肉と後ろ側の筋肉が同時に収縮してしまう状態をいう。
ちょっと試してみてください。ボールを投げるという動作を力こぶに力を入れながらやってみてください。投げられませんよね。しかもより疲れます。ここで肘を持ち上げたとき自分の方から手の甲が見えるように外側に返してみてください。力こぶの力は抜け、肘の位置がより高くなったはずです。

 これと同様に腿の前側に力が入った状態でキックをしようとするといわゆる「膝から下の振り」というのはできないのです。

 またサッカーの動作は瞬発力と持久力の組み合わせで行われている。ドリブルやシュートなどの動きの合間に歩いたりジョギングしたりする動作が入る。自分の筋力を有効に使うにはこの歩いたりジョギングしたりしているときに筋中、血中の乳酸値を戻す働きができなければならない。

※乳酸値・・・疲労物質と呼ばれる。運動すると発生するが体内で消費されている。血中乳酸値が4mmol/lを超えると体内での消費が間に合わなくなり体に蓄積されてしまう。ドリブルやキックなどの動作では8mmol/l程度まで瞬間上がるがランニングで下がる。-詳しく書くと書ききれないのでさわりだけ-

 このランニング中に共縮が起こってしまうと、心臓から送り出された血液が本来筋ポンプの働きによりもう一度心臓に帰ってくるのだがこの筋ポンプが機能しなくなる。よくランニング中の突然死がニュースになるがこれは筋ポンプが機能しないためともいわれている。
 この状態はやはりサッカー選手(スポーツ選手)にとってマイナス要因になる。
 今回はボールを受ける姿勢について触れたがランニングフォーム等も重要なのである。

 ちょっと難しくなりすぎましたが、自分が一番動きやすい姿勢で動けばいいのだ。