インサイドキックは必要???

できないよりできたほうがいいというのが私の結論です。

 私も幼稚園児、小学生、中学生、高校生とサッカーを指導してきました。いわゆるインサイドキックでプレーの精度はあがりませんでした。ミスは減らないし、高校生になって身体の使い方に慣れても蹴れない選手だっています。パスの強弱もつけづらいし、レベルが上がれば上がるほどできる選手とできない選手の差が大きくなってしまいます。

 私も十年前はインサイドキック大好きでした。サッカーの基本はインサイドキックと本気で思ってました。しかしながら今ではむしろインサイドキックを教えることがサッカーを難しくしているとさえ思っています。

 どうしてインサイドキックを教えなければならないのでしょうか?みんながやっているからとか自分がそう教えられたからとかというのであればちょっと寂しいと思います。メキシコ五輪銅メダルのときにクラマーさんがインサイドキックから教えたというのは有名な話です。

 しかしながら今ではプレーのスピードは格段に上がり、選手に求められている要素も多くなっています。インサイドキックはプレッシャーがなく、自分のペースで蹴れる場合は確かに正確です。現在で使えるのはフリーキックやPK、あるいはうまく自分の時間が作れたばあいでしょう。だから40年前ならインサイドキックも有効だったと思います。

 また、生まれてはじめてサッカーをやる場合、インサイドキックで蹴るでしょうか?ほとんどの人はつま先で蹴るはずです。これが人間の自然な動作です。この自然な動作をインサイドキックという不自然な動作で制限します。わざわざ難しいことを教えているような気がしています。そしてうまく蹴れないとダメだしをされる。

 これをひねくれた受け止め方で捉えれば、わざわざ万人にできない動作を教えてそれによって選手の評価をしているというようにも感じています。運動神経の良い選手はどんなキックだって簡単にこなしてしまう訳ですから・・・。そしてサッカー劣等生を作っていく。悲しいことです。

インサイドキックだけが悪いわけではありません。インサイドキックを教えているからダメだというわけでももちろんありません。多くの人にインサイドキックありきという考え方に疑問をもってもらいたいためにあえて私はこういう表現を使っています。

明日以降、もっと詳しく考察します。