マルコ・ファン・バステン
私がまだ中学生だった頃、眠い目をこすりながら必死で見ていた三菱ダイヤモンドサッカーでスーパーゴールが飛び込んできた。
当時はまだサッカーというのは代表チームしか知らなくてアルゼンチンのマラドーナ(86年のW杯)に魅了されていた。
私達の中学ではウィルクーバーのトレーニングを取り入れていてよくビデオを見ていた(当時では珍しかったようだ)。その中でモデルとして何度も出てくるのが赤と白のユニホームに身を包んだ14番「ヨハンクライフ」。みんなでクライフターンを真似したのが懐かしい。
それはともかく、代表チームの試合を見るために見た(当時は2週間で1試合の放送だった)ダイヤモンドサッカーでその見覚えのある赤と白のチームが試合をしていた。87年のクラブカップウィナーズカップ決勝だ。
9番の選手のヘディングシュート。綺麗な軌跡を描いてゴールに吸い込まれていった。もちろん点を取った選手の名前など覚えていなかった。そのゴールだけが今でも記憶に残っている。
そして88年のヨーロッパ選手権、怪我で出遅れていた12番のオランダ代表はいきなりイングランド戦でハットトリックを決める。
圧巻はソ連との決勝戦。左からのクロスを角度の無いところから信じられないボレーシュートで叩き込んだ。
それが「マルコ・ファン・バステン」だった。
現在では後ろからのファールを厳しく取るようになったがそのきっかけとなったのがファンバステンへのディフェンスのラフプレーだった。結局この天才ストライカーは常に怪我に悩まされ両足の怪我が癒えることなく引退してしまった。
もっともっと見ていたかった選手。クライフの系譜を受け継ぐ選手。もう出てこないのだろうか?