一平くんのお話 ~ 飛躍編
7月22日、愛媛FCはホーム・ニンジニアスタジアムでツエーゲン金沢と対戦。結果は1-1のドローでした。
愛媛FCは前半に先制されるものの、後半5分に近藤貴司選手のゴールで同点。このゴールは、愛媛FCとして6月21日のファジアーノ岡山戦以来1か月ぶりのゴールでした。本当にこの1カ月長かったです…。スコアはこのまま動かずに試合終了。現在3位、J3から昇格元年ということを忘れさせる快進撃を続ける金沢と勝ち点1を分け合いました。観客数は1894人。雨の平日ナイターに集まっていただき誠に誠にありがとうございました!
次のゲームは日曜日26日にアウェイ札幌ドームでのコンサドーレ札幌戦。次のホームゲームは8月1日のセレッソ大阪戦です。セレッソ大阪戦では、シャウエッセンを食べきるバーベキューなどイベント盛りだくさんです。詳しくはコチラで確認ください。ぜひニンジニアスタジアムへ足をお運びください!
さて、今回は、前回の「一平くんのお話 ~ 登場編」で記した一件でサッカー界に一躍名が知れた一平くんがスターダムになっていく過程をまとめたいと思います。
あの一件以降、一平くんはアウェイのスタジアム招待されてはご自慢の「担架芸」を披露していました。そのいくつかを紹介します。
一平くん初の関東遠征は2010年6月6日のジェフユナイテッド市原・千葉戦でした。この時は試合前のフェアプレーフラッグと共に入場。キックオフ前の時間に愛媛FCの公式マスコット、オーレくん、たま媛ちゃんが下がる中、取り残された一平くんは走って戻ろうとするものの途中で転倒。この時は左足をけがして、またまた担架係の皆さんのお世話になったのでした…。
http://blog.domesoccer.jp/archives/51517121.html
一平くんはボクシングのタイトルに挑戦したこともあります。
「日本マスコット級」の初代チャンピオンに君臨すべく、2011年8月16日、セコンドに伊予柑太を引き連れて、川崎はとどろきアリーナに乗り込んだ一平くん。相手は川崎フロンターレのふろん太くん。入場時にはカエルだけに見事な跳躍でトップロープを飛び越えてリングインを見せます。試合の方は、第1ラウンド終了間際、一平くんが見事な右フックでふろん太からダウンを奪うものの、第2ラウンド、逆にふろん太くんの右フックが一平くんの側頭部にヒット。倒れた一平くんはピクリとも動かずTKO負け。最後は担架で運ばれて退場となったのでした…。
そして、一平くんと何度も共演を果たしているのが、東京ヤクルトスワローズの畜生ペンギンつばめのマスコット、つば九郎くん。ヤクルトが秋季キャンプや公式戦を松山でやったり、神宮のホームゲームで「松山デー」を開催していたりするご縁で、つば九郎くんは愛媛FCの試合に年に1度参加してくれるのです。つば九郎くんがやってくると毎年何かしら事件が起きるのですが、2012年の開幕戦ホームの対町田戦での出来事を記します。
つば九郎は普段、バズーカにスワローズグッズを詰めて、スタンドのファンへ発射するというイベントを毎試合やってます。この日ニンスタにバズーカを持ってやってきたつば九郎に一平くんはマシンガンを持って忍び寄ります。前年2011年にバズーカで撃たれたリベンジをするためです。しかし、つば九郎に気づかれてバズーカで撃たれ、1発目は外れるものの2発目が一平くんに命中。担架で運ばれていったのでした…。
そんなこんなでサッカーファンの中で有名になった一平くん。2011年11月には愛媛FCから一平くんグッズが販売開始されます。最初の商品はぬいぐるみでした。
http://blog.domesoccer.jp/archives/51813056.html
しかし、販売開始からあっという間に完売し、再販希望のツイートがたくさんされる事態になったのでした。
商品は徐々に増え、アウェイ限定商品が出るまでにレパートリーも増えました。
どうしてここまで一平くんがJリーグのサポーターに受け入れられたのか、というのを考えるに、「Jリーグの活動が生み出したキャラクターだから」というのがあるのでは、と思うのです。
今でこそ、彼はホームの試合は全て観戦していて、レディースのアウェイの試合まで見に来るような熱烈な愛媛サポーターになっていますが、最初は試合後半には帰りの渋滞が嫌で先に帰ってしまうようなサポーターでした。それがだんだん結果を気にするようになり、スタンドで最後まで応援するようになり、アウェイにも出掛け、最近では日本代表も追いかけるようになりました(このことは8月アップ予定の「世界編」で詳しく記します)。一平くんは日本生まれだから、愛媛を応援するように、日本を応援しています。
彼はこんなことを言っていたことがあるそうです。
「自分が生まれ育った街に生まれたプロスポーツ。ホームスタジアムは自分が生まれた場所からほど近い砥部にある。全国のいろんな場所からいろんなチームが集まってくる、地元クラブを応援しないわけにはいかないでしょ。」
彼にとってはサッカーじゃなくても良かったんだと思います。生まれた街を応援することに意味があるんです。日本全国にJクラブが次々と生まれている昨今、地元のクラブが営業活動を行っている中で発見された一平くんがサッカーに興味を持ち、アウェイの地に行き、日本代表に興味を持っていく。これこそ日本サッカーの底上げであり、Jクラブの存在意義であると思います。
こんな感じで、国内のJリーグサポーターには完全に認知された一平くんは、世界へ打って出ます。その様子はまた今度記したいと思います。