2015.10.25 AC長野パルセイロレディース戦@南長野
10月25日、愛媛FCのトップチームはホーム・ニンジニアスタジアムにザスパクサツ群馬を迎えての一戦でした。結果は3-0で愛媛FCの勝利。
ここ4試合で1分3敗と勝ち星がなく勝利という結果が欲しい愛媛。前半8分と早い時間にコーナーキックから西田選手のゴールが生まれて先制(ゆりかごダンスできてよかったですね)。このゴールの後も優位に試合を進めて、84分、後半ロスタイムと河原選手の2ゴールで突き放しての完勝。5試合ぶりの勝利を挙げました。これで昇格プレーオフ圏内の6位東京ヴェルディと勝ち点差1となりました。この日の観衆は2808人。プレーオフを争っているチームの中では断トツに少ないです。残りは4試合、ホームは次節の岐阜戦と最終戦の徳島戦の2試合です。愛媛FC史上最大の勝負の11月となります。ぜひスタジアムに足を運んで選手の後押しをしてあげてください!
さて、今回は愛媛FCレディース(以下、愛媛L)の試合のレポートを書きたいと思います。10月25日は南長野運動公園総合球技場でAC長野パルセイロレディース(以下、長野L)戦でした。
南長野運動公園は1998年の長野冬季オリンピックのメイン会場となった長野オリンピックスタジアム(今は改築されて野球場になっています)のある場所です。球技場は今年の3月に全面改築工事が完了。総工費は71億円だそうです。
正直な感想として、「やっぱりスタジアムは作ってみるもんだな」と思いました。サッカーの施設を作らないと、の話になると、チームが強くなってから、とか、チームが集客できないのに箱だけ作ったって…、という「卵が先か鶏が先か」的な議論が出てきます。長野に行ってみてこのスタジアムをみると、やはりスタジアムを作る方が先だ、と、思います。
この日、開門前には、最後尾が見えなくなるほどの長蛇の列ができ、ほとんどの試合が観客数3ケタのなでしこリーグ2部の試合で入場者数はなんと3828人。引き分け以上でなでしこ2部優勝の決まる長野Lは、クラブ、サポーターも後押しをして、スタッフのかたもトップの試合くらい来てるとおっしゃっていたほどで、メインスタンド、ホームゴール裏、バックスタンドは(パルセイロの)オレンジで染まっていました。この観客数はこのスタジアムだからこそではないか、と、想像します。
長野側の席を少し回らせてもらったんですが、ご老人のご夫婦連れや家族連れ、子どもたちの集団がたくさんいました。いろんな人が一所に集まって、「長野」の応援をする。こんな場所こそ「公共財」な気がします。こんな場所がある長野の人は幸せだし、そういう環境を作ることに価値があることを理解した人が長野にいることはさらに幸せだなぁ、と思います。
試合はバツグンのタイミングで裏へ抜け出した横山に決められた前半12分の先制点を皮切りに、集中力が欠けたり、セットプレーから着実に決められ、前半だけで4失点。風上にたった後半は、愛媛Lの選手たちも反撃を試み懸命に前へボールをつなごうとしますが、後半も2失点し、最終的に長野L6-0愛媛Lで終了しました。
不運な面もなきにしもあらずですが、パスの正確さ、玉際の集中力、アタッキングサードの精度と長野Lのほうが一枚上手で、点差はともかく結果はやむなしかなと思います。愛媛Lの選手たちは特に後半は、もてる限りの力を出して頑張っていたと思います。残るはホーム最終戦と皇后杯で、その頑張りを継続していって、いい一年にしてくれればと思います。
この結果、長野Lは快勝で優勝となでしこ1部への切符を手に入れました。チームのみならず、クラブ、スタジアム、サポーターみんなで勝ち取った果実なんだと実感する光景でした。
愛媛Lはあと1試合を残していますが、今年のなでしこリーグ2部を振り返ると、長野L、ノジマステラ、日体大FIELDS横浜の3強と、それ以外のチームにある程度レベルの差があったかと思います。しかし、長野Lだって数年前までチャレンジリーグ(当時の2部相当)でも降格圏内をさまよっていたチームです。逆に言うと愛媛Lも周囲のサポート次第でこの3強のレベルまで後押しすることは可能だと思っています。今年の残り、来年に向けて少しでもチームを後押ししたいですね。