20051111Jリーグが愛媛FCのヒアリングを実施

2015 年 5 月 24 日

この日私たちはJFAハウスの別室にいました。

【2005年11月17日】 サッカー専門新聞ELGOLAZO11月14・15日号によれば、来期Jリーグ加盟を目指しているJFL所属の愛媛FCに対して、Jリーグが11月11日にヒアリングを実施した。

ヒアリング実施会場となったJFAハウスに、加戸愛媛県知事・中村松山市長・亀井愛媛FC社長が鈴木チェアマンを訪ね、Jリーグ加盟に向けた具体的な事業内容など説明を行った。愛媛FCは、前回9月13日にJリーグ加盟の予備申請を行ったが、このときは、ホームスタジアムを予定している愛媛県総合運動公園陸上競技場の観客席数の少なさから、愛媛FCの来年度からのJリーグ加盟に対し「最低限の条件をクリアしようと言う姿勢ではお荷物チームを抱え込む事になりかねない」と鈴木チェアマンは難色を示していた。これを受けて愛媛県は、平成29年度国体開催に向けた愛媛県総合運動公園陸上競技場の整備計画を前倒しして実施する事を決定。Jリーグも施設面でのハードルを概ねクリアしたとの認識を示した。しかしながら鈴木チェアマンは、競技場内の記者室整備・駐車場の確保と試合前後の渋滞対策等の部分でも改善を行うよう愛媛FC側に求めた。

また鈴木チェアマンは「原則JFL二位以内」の姿勢は崩していない。愛媛FCは、13日のJFC第12節終了時点で、首位のYKK APと勝ち点差無しで2位、三位栃木SCとは勝ち点差4で残り3試合を残している。このため加盟可能性はまだ予断を許さない状況にある。

愛媛FCのJリーグ加盟は、来月12月3日JFLの全日程終了後に、Jリーグ臨時理事会にて決定される。

愛媛FCサポーターが署名を直接チェアマンに届けたのです。

(回想要約です。相当端折っています。記憶に事実と違うことがもしかしたらあるかもしれません、あくまで私の10年前の記憶です)

「チェアマンに直接署名を渡したいんだけど。。。」

愛媛FCサポーター「アランチーノ」の伊藤代表から電話をもらいました。

私「Jリーグに問い合わせてみますね」

J「そういう話は愛媛FCを通してください」

当然です。

私→伊「難しそうです」

伊→私「流通経済大学との試合の帰りにJFAハウスに寄って愛媛のサポーターみんなで渡したいんだけど」

私→FC「こういう話があるんですが」

FC→私「そういうことはしないと言ってますよ」

はい、手詰まりです。

だったんですが、もう一回Jリーグに電話しました。

私「クラブからもダメと言われたんですが、もう一回お願いをと思いまして連絡しました。これはクラブ以上にサポーターが一生懸命集めた署名なんです。」

J「えっとね、県知事と市長が来て記者会見するからその時ならいいかもね。」

私「本当ですか?」

J「大勢ではダメですよ。1人だけで来てください。」

私→伊「大丈夫みたいです」

伊「署名の原本全部持っていって見せたいんだけど」

私「どれくらいあるんですか」

伊「引っ越し用段ボールに5~6箱かな」

私「聞いてみます」

私→J「集めた署名を全部持っていきたいんで駐車場と荷物係もよろしいでしょうか?」

J「分かりました。でもチェアマンの前に行けるのは1人ですからね!」

釘を刺されました。

私の自宅には段ボール5箱の署名が愛媛から送られてきました。たまたま何かの用事(もう覚えていない)で来ていた妻の部下(アルバイト、北海道出身、愛媛との縁は皆無)に手伝いを頼んだところ来てくれました。

私「荷物係だから君も何かに出るとかないから」

当日、朝4時までかかって目録を作り、証書フォルダを新宿のマンションの怪しい1室(本人談)で20代女子サポーターに買ってきてもらい、準備万端、JFAハウスで伊藤氏と待ち合わせをしました。伊藤氏はライターの後藤勝氏を引き連れ、JFAハウスの前の階段に座っていました。

駐車場から、キャスターを借り、控室に署名ダンボールを運び込みます。

控室には「KIRIN」ブランドの飲み物がたくさん置いてありました。ご自由にお飲みください。

「緊張する」といってお茶を飲む伊藤氏。私は荷物係だから余裕、観光気分でいろいろなものを眺めています。

ため息をつきながらお茶を飲む伊藤氏。

J「そろそろですけど、1人ですからね」

ここでも釘を刺される信用の無い私。

J「隣の部屋にどうぞ」

いよいよです。まずは署名をテーブルの上に運びます。

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まったく気づきませんでしたが、亀井社長、二神愛媛県サッカー協会会長も手伝ってくれています。

私「運び終わったんで、ではこれで退室します」

チェアマン「せっかく持ってきたんでしょ、いいよ、一緒にいなさい」

J「。。。チェアマンがそうおっしゃってるんでどうぞ」

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というわけで、この3人がここにいるということになってしまったんです。

本来なら、松本さん(ラランジャトルシーダ代表)がこの場所にいるべきだったんです。

この話は公にしたことはほとんどなかったのですが、こういう事情です。

きっと、伊藤さんも詳しくは話していないでしょう。

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鈴木チェアマンは、「これで愛媛FCのことを22万人の人が知ってくれたんだね、今回の活動をこれからの集客に活かしてください、ここからが大事です」とおっしゃったように記憶しています。

今考えると、Jリーグに昇格することをゴールと考えたことがどれだけ甘いことだったのか分かります。それを分かっていたからこその発言だったのでしょう。

クラブライセンスや財務状況、スタジアム要件など毎年のようにハードルが上がる理由も今なら理解できます。

間に合わせで動いてきた結果が今の愛媛の状態なのかもしれません。

「J1昇格」が旗頭ではない形でまとまらない限りうまくいかないと私は思っています。その一点でもクラブとの方向性に食い違いがあるわけです。どこかで方向性をあわせる時間は必要じゃないかと思う毎日です。